『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。
この、
ってタイトルからして、この映画が只者じゃない感じが伝わってきますよね。
事実『バードマン』は、
- テーマやメッセージ
- 長回しの撮影技法
- 俳優の演技とキャスティングの技量
- セリフ
- 音楽
どれも完ぺきに計算された映画です。
この映画に予期せぬ奇跡はなく、すべて計画通りで、予定調和で、想定内。
そういった凄さを、パンフレットから読み解くことができます。
『バードマン』の映画パンフレットについて、内容や魅力を紹介していきます♪
目次
『バードマン』パンフレット内容と魅力
映画タイトル | (Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance) |
内容 |
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インタビュー掲載キャスト |
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インタビュー掲載スタッフ |
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コラム |
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評価・買う価値 | ★★★★★(5/5) |
おすすめしたい人 |
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値段・詳細 | [wpap service=”with” type=”detail” id=”B00VYS37KM” title=”【映画パンフレット】 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)” search=”バードマン パンフレット”] |
イントロダクション
映画『バードマン』の見どころ紹介。
内容
- キャスト紹介
- 監督紹介
- スタッフ紹介
- 受賞/ノミネート一覧
ストーリー(あらすじ)
『バードマン』あらすじ紹介。
キャストインタビュー
マイケル・キートン
インタビュー内容
- リーガンに共感したか?
- イニャリトゥ監督との面識
- 長回しの撮影方法
- オファーを受けた決め手
(リーガンには)まったく共感を覚えなかった。おかしな皮肉だということはわかっているが、彼と私が同じ職業に就いていて、スーパーヒーローを演じたことがあるという点を除いて、彼には親しみを感じない。彼の心は矛盾だ。(マイケル・キートン)
引用:「バードマン」映画パンフレット
エドワード・ノートン
インタビュー内容
- 舞台で演じた経験
- マイク・シャイナーの魅力
- 『バードマン』の魅力
- ワンカットに近い撮影方法
アレハンドロは最初から、本作を役者やアーティストについてだけの物語にはしたくないと言っていた。監督が本当に興味を持っていたことは、人が人生の中で、以前に思い描いていた壮大な自分とはかけ離れた人物になってしまったと感じる瞬間ではないかと思う。(エドワード・ノートン)
引用:「バードマン」映画パンフレット
エマ・ストーン
インタビュー内容
- 脚本を読んだ時の感想
- サムのキャラクター
- イニャリトゥ監督の演出
- 苦労した撮影方法
ある時、どうしてもうまくいかなかったのに突然閃いた瞬間があって、そのまま演じると、彼は「それだよ!」と拍手しながら言ってくれたの。あんなことができる監督には会ったことがないわ。(エマ・ストーン)
引用:「バードマン」映画パンフレット
ナオミ・ワッツ
インタビュー内容
- レズリーのキャラクター
- イニャリトゥ監督との再タッグ
- 大変な撮影と、達成感
あと1時間で撮影終了という段になっても、気に入ったショットが撮れなかったことが何度かあったの。すると突然、全員の息がぴったりと合ってうまくいった。テイクの最後で監督が満足しているのがわかると、ものすごい歓声があがった。みんなが、監督を喜ばせたいと思っていたのよ。(ナオミ・ワッツ)
引用:「バードマン」映画パンフレット
スタッフインタビュー
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督
インタビュー内容
- 『バードマン』のアイデアを思いついた時期
- リーガンに共感するか?
- レイモンド・カーヴァーの短編を劇中劇に置いた理由
- キャスティングについて
- ワンカットに見える撮影方法
- ドラムのリズムがもたらす影響
結局、人生というのはワンカットのようなものだ。朝、目が覚めてからずっとステディカムがついて回っているようなもの。逃れることも、別の現実に飛ぶこともできない。そういう形で人生を経験しているのだから、同じような形でリーガンの世界も経験したいと思った。(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)
引用:「バードマン」映画パンフレット
ケヴィン・トンプソン(プロダクション・デザイナー)
- ステージと舞台裏を組み合わせる苦労
- 計算された廊下の幅、天井の高さ
- 照明の準備
ストーリーが進むにつれ、リーガンの楽屋からステージまでの距離は縮まっていく。廊下の幅を狭め、天井の高さを低くして、彼の心理状態を表現するようにしたんだ。(ケヴィン・トンプソン)
引用:「バードマン」映画パンフレット
ダグラス・クライズ(編集)
- 編集室で直せない、長回し映像
- 編集に活かされた、ドラム・スコア
撮影をしながら、アレハンドロは「いま、すべての要素を考えなければならない。ほかの映画だったら、あとで、編集室で直すことができるのに…」と何度も言っていた。(ダグラス・クライズ)
引用:「バードマン」映画パンフレット
スティーヴン・ミリオン(編集)
- 長回しにおける、役者の努力
- ドラム・スコアの功績
どんな映画でも音楽は雰囲気作りに大きな影響を与えるが、本作ではリズムがカメラの動きと密接につながっているので、時には音楽にいつも以上に頼らなければならなかった。(スティーヴン・ミリオン)
引用:「バードマン」映画パンフレット
アルバート・ウォルスキー(衣装デザイナー)
- 衣装のこだわり
- 50年代を参考にした
楽屋やリハーサルのシーンの衣装は、カリフォルニアらしい普段着の気取らない感じを出そうとした。頭の中ではいつも、舞台とハリウッドのバランスを取ろうとしていた。(アルバート・ウォルスキー)
引用:「バードマン」映画パンフレット
プロダクションノート(メイキング)
メイキング内容
真の承認を求める主人公とソーシャルメディア社会
- リーガンの自我と、超自我”バードマン”の乖離
- SNSの即効性と、現実を捻じ曲げる作用
ひねりとシャレを効かせたキャスティングの妙
- マイケル・キートン
- エドワード・ノートン
- エマ・ストーン
- ナオミ・ワッツ
リーガンの精神を反映したバードマン・スーツ
- バードマン・スーツ製作
- スーツのこだわり
奇跡のカメラワークと計算し尽くされた演技
- 100%計算して撮られた映像
- キャスト/スタッフ全員のリハーサル
- タイムズ・スクエアのシーン
ニューヨークの街並みと、本物のブロードウェイ劇場での撮影
- 『バードマン』の撮影順序
- ロケ地
- 主人公の1人、劇場とタイムズ・スクエア
- 『愛について語るときに我々の語ること』
彼らには私が何をやろうとしているのかを、はっきりと理解してもらう必要があった。すべての瞬間の顔の向きさえも事前に決めて、細かい振付をした。即興は1つもない。時計の正確さでタイミングをとって撮影した。(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)
引用:「バードマン」映画パンフレット
コラム
ロング・ロング・ショットがもたらす、いかさまの中のリアル(古川日出男)
作家「古川日出男」氏による、『バードマン』レビュー。
あのロング・ショット。ロング・ロング・ショット。あれは我々が日々生きていてリアルに感じる時間を、フィクションのいかさまの中にリアルに再現してしまった非常にリアルな映像だ。こう説明するだけで、ため息が出る、架空・実物・架空・実物・架空…。(古川日出男)
引用:「バードマン」映画パンフレット
レイモンド・カーヴァー(巽孝之)
慶應義塾大学文学部教授「巽孝之」氏による、劇中劇『愛について語るときに我々の語ること』の作者「レイモンド・カーヴァー」の紹介。
作中、いまはメルの妻となっているテリが語る元彼エドは、彼女にDVたる虐待をさんざん加えたあげく世にもぶざまな拳銃自殺に及ぶが、しかしテリ自身は、エドには紛れもなく愛があったと断言するのだ。そのエピソードにいささか脚色を施したのが、『バードマン』の劇中劇である。(巽孝之)
引用:「バードマン」映画パンフレット
愛について語るときに我々の語ること
[wpap service=”with” type=”detail” id=”4124034997″ title=”愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)” search=”愛について語るときに我々の語ること”]2010年代ハリウッドを席巻するメキシコの”三本の矢”(宇野維正)
映画・音楽ジャーナリスト「宇野維正」氏による、
- アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督
- アルフォンソ・キュアロン監督(代表作…ゼロ・グラビティ)
- ギレルモ・デル・トロ(代表作…パシフィック・リム)
3人のメキシコ映画監督の活躍の紹介。
イニャリトゥ、キュアロン、デル・トロを中心に、広くスペイン語圏の映画人、さらにはそれぞれの出演者やスタッフがゆるやかに結びついて、いまや一大勢力となっている3人のコネクション。映画界の”メキシコ革命”は現在も進行中である。(宇野維正)
引用:「バードマン」映画パンフレット
2年連続オスカー受賞の快挙!”光の魔術師”ルベツキの到達点(宇野維正)
「宇野維正」氏による、エマニュエル・ルベツキ(撮影監督)の経歴・特徴・技量の紹介。
ルベツキはシーンによってステディカムや手持ちカメラを使い分け、あらゆる角度からの光を計算し、昼と夜の境目を溶かし、現実と非現実を連結していく。思わず”カメラによる21世紀のマジックリアリズム”と呼びたくなるような誘惑に駆られてしまう。(宇野維正)
引用:「バードマン」映画パンフレット
『死刑台のエレベーター』以来の衝撃!?サンチェスがもたらした『バードマン』のリズム(宇野維正)
「宇野維正」氏による、
- 『バードマン』のドラム・スコアを担当したドラマー「アントニオ・サンチェス」の紹介
- ドラム・スコアが映画にもたらした”リズム”の考察
かつてルイ・マル監督は『死刑台のエレベーター』において、ラッシュを流しながらその場でマイルズ・デイヴィスに即興演奏をつけさせるというトリッキーな試みを見事に成功させたが、本作におけるサンチェスのスコアは、映画音楽の歴史においてはそれと同等かそれ以上の偉業と言ってもいいだろう。(宇野維正)
引用:「バードマン」映画パンフレット
『バードマン』の音楽(浅田彰)
批評家「浅田彰」氏による、『バードマン』で流れる音楽と、アントニオ・サンチェスの功績の考察。
2015年アカデミー賞候補が発表された時、アカデミー会員でもある坂本龍一がニューズレターで「ドラム・スコアだからといってアントニオ・サンチェスを外すとは何と頭が古いんだ」という主旨のことを書いていた。まったくその通りだ。(浅田彰)
引用:「バードマン」映画パンフレット
計算し尽くされた演出の先にある、演劇の”ライブ”体験(三浦大輔)
映画監督「三浦大輔」氏による、同業者から見る『バードマン』の凄さ解説。
「なんとなく入れてみました」というものは何一つない。すべてがリーガンという男の人生を描くのに、必要な要素。隙がなく、100点を取ろうとした映画で、それに近いものを取っている。うらやましい限りです。(三浦大輔)
引用:「バードマン」映画パンフレット
FOXサーチライト・マガジン
『バードマン』を配給している「FOXサーチライト・ピクチャーズ」の魅力紹介。
内容
- FOXサーチライトにまつわる人々(Vol.4「エドワード・ノートン」)
- 興行マーケティング
- 賞レース
- 男子目線で楽しむFOXサーチライト
- 女子目線で楽しむFOXサーチライト
確か6、7テイクした覚えがあるんだが、テイク毎にマイケル(・キートン)は異なった表情で固まってみせるんだ。怒りに震えているシーンなのに、思わず吹き出してしまったよ。男性に下半身を凝視されるのをこんなに楽しんだことはなかったな(笑)。
引用:「バードマン」映画パンフレット
おすすめポイント/まとめ
- インタビュー量
- 考察量
- メイキング情報量
すべて満足。
すでに『バードマン』が好きな人も、これまでと異なる魅力を知ることができます。
この映画に”?”だった人、パンフレットを読めば必ず作品の魅力に気づけます。
つまり、全員におすすめ。
最高の作品の後は、最高の解説をぜひ♪
おすすめ内容
- 俳優インタビュー
- 監督インタビュー
- 各コラム
- プロダクションノート(メイキング)
読んでほしい人
- 『バードマン』を観た人、全員。